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Nextcloudとは
Nextcloudはオープンソースのクラウドストレージプラットフォームで、自分のサーバーに構築することでファイルの保存や共有、同期が可能です。
データを外部に預けるDropboxやGoogle Driveと異なり、完全なプライバシーと所有権を確保できます。
主な機能にはファイル同期、カレンダーや連絡先管理、共同編集機能があり、プラグインで拡張も可能です。
オープンソースのため透明性が高く、ユーザーのニーズに合わせた柔軟なカスタマイズが特徴です。
初期費用はかかるものの、長期的なコスト削減が可能で、プライバシーやセキュリティを重視する個人や企業に適した選択肢です。
Nextcloudのシステム要件
Nextcloudは比較的オーソドックスなPHP環境で動作させることができるので、幅広いサーバーにホストすることができます。
公式サイトから引用したシステム要件は以下のとおりです。
プラットフォーム | オプション |
---|---|
オペレーティング システム (64 ビット) | Ubuntu 24.04 LTS Ubuntu 22.04 LTS (推奨) Red Hat Enterprise Linux 9 (推奨) レッドハットエンタープライズLinux8 Debian 12 (ブックワーム) SUSE Linux Enterprise Server 15 openSUSE リープ 15.5 CentOS ストリーム |
データベース | MySQL 8.0 / 8.4または MariaDB 10.6/ 10.11 (推奨) / 11.4 Oracle Database 11g、18、21、23 ( エンタープライズ サブスクリプションの一部としてのみ) PostgreSQL 13/14/15/16/17 SQLite 3.16+ (テストおよび最小限のインスタンスにのみ推奨) |
ウェブサーバー | Apache 2.4 mod_php または php-fpm (推奨)nginxと php-fpm |
PHP ランタイム | 8.1 (非推奨) 8.2 8.3 (推奨) 8.4 |
Nextcloudをホストすることができるサーバー
上述したとおり、NextcloudはオーソドックスなPHP環境で動作させることができるので、VPSやAWSといったroot権限が付与されているサーバーだけでなく、共用レンタルサーバーにもインストールすることができます。
それぞれのメリットとデメリットがありますので、詳しく解説します。
共用レンタルサーバー
「XServer」や「ロリポップ!」、「さくらのレンタルサーバ」といった共用レンタルサーバーは、複数のユーザーが1台のサーバーを共有する形式です。
サーバー自体のメンテナンスはホスティング会社が行ってくれるため、Nextcloudを運用コストを抑えながら手軽に利用できます。
ただ、Nextcloud自身に暗号化によるセキュリティ対策はされているとはいえ、他のユーザと同じサーバーを利用することになるため、プライバシーやセキュリティリスクがあることは否めません。
個人利用では問題ないかもしれませんが、請求書や取引先との情報を扱う法人利用ではあまりおすすめできません。
VPS
VPSは複数のユーザーが1台のサーバーを共有する形式は共用レンタルサーバーと同じですが、仮想化技術により、各ユーザーにroot権限が与えられた専用のサーバー環境が提供されます。
root権限があるためNextcloudを使った外部アプリケーションとの連携など、カスタマイズ性に優れています。
ただ、SSDの容量は共用レンタルサーバーに比べて控えめではありますので、、コスパという面ではあまりよくありません。
VPSを持て余しているという方はオンラインストレージとして有効活用するという使い方はアリかと思います。
AWS・GCP・Azure
AWS・GCP・AzureなどのクラウドサービスでももちろんNextcloudをインストールすることができます。
ネットワークの監視や冗長性の確保に優れていますので、企業で利用する場合はこれらのクラウドサービスを使う方法がもっともおすすめです。
NextcloudのホストにはServer VPSが楽
NextcloudをVPSにホストするのであれば、アプリイメージが提供されているXServer VPSを使えばかなり楽に構築することができます。
アプリイメージとは、OSのインストールからNextcloudの環境構築まで申込と同時に自動でセットアップしてくれる機能のことです。
アプリイメージは専門知識がない方や時間をかけずに構築したい方にもおすすめです。
XServer VPSにNextcloudをインストールする手順
Xserver VPSに申し込む
XServer VPSの契約がまだの方は以下の手順で申し込みができます。
【2月10日17:00まで】月額実質415円〜!
半額キャッシュバックキャンペーン
まだXserver VPSを契約していない方は、XServer VPSの公式サイトから申し込み手続きをします。
公式サイトの「お申し込みはこちら」をクリックしてください。
すでにXServerアカウントを持っている方は「ログイン」、初めて申し込む方は「すぐにスタート!新規お申込み」をクリックしてください。
申し込みフォームが表示されます。
お客様情報を入力する
XServerアカウントを作成するために、お客様情報を入力します。
必要項目を入力しましょう。
入力が完了したら、「次へ進む」をクリックしてください。
続いて、本人認証のために確認コードがメールで送られます。
メールを確認して、確認コードを入力しましょう。
最後に入力内容を確認して、問題がなければ「この内容で登録しサーバー申し込みへ進む」をクリックします。
これでXServerアカウントの作成は完了です。
お申し込み内容を入力する
続いて、VPSの申し込みをします。
こちらも必要項目を入力していきます。
「イメージタイプ」は「Nextcloud」を選択します。
入力が完了したら、「お申し込み内容を確認する」をクリックしてください。
確認画面で申し込み内容を確認します。
問題がなければ、「お支払いへ進む」をクリックしてください。
お支払い情報を入力する
支払い設定を行います。
XServer VPSではクレジットカード決済とあと払い(ペイディ)に対応しています。
支払い方法を選択して、「決済画面へ進む」をクリックします。
クレジットカード情報を入力して、「確認画面へ進む」をクリックしてください。
内容を確認して、問題がなければ「支払いをする」をクリックしてください。
これでXServer VPSの申し込みは完了です。
ポートの解放設定を行う
申し込みが完了したら、ポートの解放設定を行います。
XServer VPSではポートの解放設定をVPSパネルの「パケットフィルター設定」で行います。
パケットフィルター設定が「ONにする(推奨)」になっていることを確認してください。
「パケットフィルター設定を追加する」をクリックして「SSH」と「Web」を追加してください。
これでポートの解放設定は完了です。
サーバー情報の確認
Nextcloudのセットアップに必要なサーバー情報を確認します。
お好みのコマンドラインツールからサーバーにSSH接続してください。
ssh root@{IPアドレス} -p 22
パスワードの入力が求められますので、申込時に設定した「rootパスワード」を入力してください。
サーバー情報が表示されれば、ログインは成功です。
表示されたサーバー情報の「MySQL nextcloud username」と「MySQL nextcloud password」、「MySQL nextcloud database name」はセットアップの際に使用しますので、どこかにメモしておきましょう。
独自ドメインの設定
VPS管理画面に戻って、独自ドメインの設定を行っていきます。
まだ独自ドメインを取得していない方はVPS管理から「ドメイン取得」をクリックしてください。
取得したいドメイン名を入力、希望のドメイン末尾を選択して、「ドメインを検索する」をクリックしてください。
取得可能なドメイン一覧が表示されます。
希望のドメインにチェックを入れ、利用規約に同意して、「お申し込み内容の確認と支払いへ進む」をクリックしてください。
内容を確認して、支払い方法を選択します。
「支払いをする」をクリックしてください。
これで独自ドメインが取得できました。
取得した独自ドメインをサーバーと紐つける
取得した独自ドメインをサーバーと紐つけます。
VPS管理画面の「DNS設定」をクリックしてください。
「ドメインの追加」をクリックします。
取得したドメインを入力してください。
追加したドメイン名の「選択する」をクリックしてください。
「DNSレコード設定の追加」をクリックします。
「種別」に「A」を選択し、「内容」にサーバーのIPアドレスを入力してください。
「確認画面へ進む」をクリックします。
DNSレコードは、インターネット上のWebサイトやメールなどのサービスを見つけるための指示書のようなものです。
各Webサイトには、それぞれに割り当てられた一意のIPアドレスがあります。
DNSレコードは、これらのIPアドレスを人が覚えやすいドメイン名(例:www.example.com)に関連付ける役割を持ちます。
つまり、DNSレコードは、特定のドメインがどのIPアドレスに関連付けられているかを示しています。
上記で設定した「A」レコードは「アドレス」の略であり、DNSレコードの最も基本的な種類です。与えられたドメインのIP アドレスを示しています。
内容を確認して、「設定を追加する」をクリックしてください。
これでDNS設定は完了です。
Nextcloudのconfigファイルの編集
独自ドメインを使用して運用する場合はNextcloudのconfigファイルにもドメインを設定する必要があります。configファイルは以下のパスにあります。
cd /var/www/html/nextcloud/config/config.php
「trusted_domains」の配列と「overwrite.cli.url」を独自ドメインに変更してください。
<?php
$CONFIG = array (
// 独自ドメインを設定
'trusted_domains' =>
array (
0 => 'example.com',
),
'datadirectory' => '/var/www/html/nextcloud/data',
'dbtype' => 'mysql',
'version' => '29.0.6.1',
// 独自ドメインのURLを設定(SSL化する場合は「https」で)
'overwrite.cli.url' => 'https://example.com/nextcloud',
'dbname' => 'nextcloud_db',
'dbhost' => 'localhost',
'dbport' => '',
'dbtableprefix' => 'oc_',
'mysql.utf8mb4' => true,
'dbuser' => 'nextcloud_user',
'dbpassword' => 'vUa6VUR1',
'installed' => true,
'default_phone_region' => 'JP',
'memcache.local' => '\\OC\\Memcache\\Redis',
'memcache.locking' => '\\OC\\Memcache\\Redis',
'memcache.distributed' => '\\OC\\Memcache\\Redis',
'redis' =>
array (
'host' => 'localhost',
'port' => 6379,
'timeout' => 3,
),
'default_timezone' => 'Asia/Tokyo',
'maintenance_window_start' => 1,
'instanceid' => 'oc1a1x5zv7c3',
'passwordsalt' => 'FeScDzRvqAPyPU4o25GKR9R9m4CRPx',
'secret' => 'T2r74hNRZHvugSJHOww0QbqOzBkt8BZ8d9rV64qaMewPzycO',
);
SSLの設定
SSL化対応もしておきます。今回はLet’s Encryptの証明書を使用します。
まずはパッケージを更新しておきます。
apt update && apt upgrade -y
続いて、certbotプログラムをインストールします。
apt install -y certbot python3-certbot-apache
cartbotコマンドを使ってSSL証明書を取得します。
certbot --apache -d your_domain.com
更新やセキュリティ通知を受け取るメールアドレスを登録します。
Enter email address (used for urgent renewal and security notices)
(Enter 'c' to cancel):
利用規約について同意することを求められます。Yと入力します。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
Please read the Terms of Service at
https://letsencrypt.org/documents/LE-SA-v1.4-April-3-2024.pdf. You must agree in
order to register with the ACME server. Do you agree?
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(Y)es/(N)o: Y
次に電子フロンティア財団とメールアドレス共有し、キャンペーン情報などのDMを受け取るか聞かれます。基本的にNoで良いでしょう。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
Would you be willing, once your first certificate is successfully issued, to
share your email address with the Electronic Frontier Foundation, a founding
partner of the Let's Encrypt project and the non-profit organization that
develops Certbot? We'd like to send you email about our work encrypting the web,
EFF news, campaigns, and ways to support digital freedom.
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(Y)es/(N)o:N
これでCertbotが自動的にNginxの設定ファイルを更新し、SSLを有効にしてくれます。
ブラウザから「https:// {your_domain}」にアクセスしてみてください。正常にアクセスできると思います。
ファイアウォール設定
続いて、ファイアウォールの設定をします。
ファイアウォールを有効化しておきます。
systemctl enable firewalld
ファイアウォールを起動します。
systemctl start firewalld
httpサーバーにファイアウォールを設定します。
firewall-cmd --add-service=http --permanent
firewall-cmd --reload
これでNextcloudの構築作業がすべて完了しました。
Nextcloudの基本的な使い方
Nextcloudの基本的な使い方を解説します。ブラウザに「https://{IPアドレス}/nextcloud/」にアクセスしてみてください。
セットアップ画面が表示されます。
管理者アカウントの作成
Nextcloudを初めて使用する方は最初に管理者アカウントを作成する必要があります。
任意のユーザー名とパスワードを設定してください。データベース情報には先ほどメモした「MySQL nextcloud username」と「MySQL nextcloud password」、「MySQL nextcloud database name」を入力してください。
「データベースのホスト名」にはデフォルトのまま「localhost」で問題ありません。
入力できたら、インストールをクリックしてください。
Nextcloudを運用する上で便利な推奨アプリが表示されます。利用予定のあるアプリがある場合はここでインストールしておいても良いでしょう。
これでNextcloudのセットアップは完了です。
デスクトップアプリから接続する
NextcloudにはデスクトップからNextcloudアプリにアクセスできるクライアントアプリが用意されています。クライアントアプリを介して、PC内のファイルと同期させたり、アップロードすることができます。
インストーラをダウンロード
以下のURLからデスクトップアプリのインストーラをダウンロードすることができます。
https://nextcloud.com/install/#install-clients
最も標準的な使い方であるファイルのアップロードや同期をさせてオンラインストレージと使う方は「Nextcloud Files」からお使いのOSに合うインストーラをダウンロードしてください。
ダウンロードしたインストーラをダブルクリックしてください。
セットアップウィザードが表示されます。指示に従ってインストールを進めてください。
Nextcloudに接続する
クライアントアプリがインストールできたら、先ほど立てたNextcloudアプリに接続してみましょう。クライアントアプリを起動してください。
「Login」をクリックしてください。
「Server address」に先ほどブラウザでアクセスしたアドレスを入力してください。
ブラウザにログイン確認画面が表示されます。「ログイン」をクリックしてください。
「アクセス許可」をクリックしてください。
Nextcloudアプリにあるすべてのファイルと同期する場合は「Synchronize everything from server」にチェックを入れてください。
一部のファイルのみ同期させる場合は、「Choose what to sync」からフォルダを選択します。
同期が完了すると、PCのファイルエクスプローラー(mac場合「finder」)にNextcloudの同期フォルダが表示されます。
スマホアプリから接続する
Android、iPhoneどちらもスマホ用のクライアントアプリが用意されています。写真フォルダと同期して、撮影した写真をNextcloudに自動でアップロードすると言った使い方できます。
アプリをダウンロード
アプリストアから「Nextcloud」と検索して、インストールしてください。
インストールが完了したら、アプリを起動してください。
「ログイン」をタップします。
サーバーアドレスに先ほどブラウザでアクセスしたアドレスを入力してください。
アクセス許可をするために再度ログインをクリックします。
ログイン情報を入力してください。
「アクセスを許可」をクリックします。
ダッシュボードが表示されます。
スマホの写真を自動でアップロード
スマホ写真を自動でアップロードする方法を紹介します。
アプリメニューの「もっと見る」をタップして、「設定」をタップしてください。
「自動アップロード」をタップしてください。
「写真・ビデオの自動アップロード」にチェックを入れてください。
これで設定は完了です。
Nextcloudに関するよくある質問
Nextcloudに関するよくある質問をまとめました。
NextcloudとownCloudとどちらがおすすめ?
NextcloudもownCloudもどちらもOSSでどちらも同じコードベースであり、実は開発者も同じFrank Karlitschekをはじめとする開発会社です。
違いを挙げるとすれば、onwCloudはファイルの共有と同期に軸足が置かれた機能設計がされており、Nextcloudはビデオ会議やカレンダー機能などより包括的な機能が提供されています。
また、Nextcloudの方が後発のサービスでOSSコミュニティも活発です。今後も継続的にサポートが期待できる点では、Nextcloudの方がおすすめでしょう。
まとめ
今回はXServer VPSを使ってNextcloudを建てる方法を解説しました。
オンラインストレージとして個人利用もできますので、ファイル共有を中心としたプロジェクト管理としてビジネスシーンとしても活用できます。
XServer VPSだけでなく、Nextcloudのアプリイメージが提供されているVPSは他にもあります。今回の記事を参考にして、ぜひみなさんもNextcloudを使ってみてください。