Stable Diffusionをレンタルサーバーで動かすことはできる?おすすめクラウドGPUもご紹介

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Stable Diffusionで高品質な画像生成を試したいけれど、自宅のPCではスペックが足りない。そんな悩みを抱えている方は多いのではないでしょうか。

実は、レンタルサーバーやクラウドGPUを活用すれば、高性能なマシンを持っていなくても快適にStable Diffusionを利用できます。

本記事では、Stable Diffusionをセルフホストする方法と、それぞれの用途に最適なレンタルサーバー・クラウドサービスを詳しく紹介します。

目次

Stable Diffusionとは

Stable Diffusionオンラインの公式サイト
Stable Diffusionオンラインの公式サイト

Stable Diffusionは、テキストから高品質な画像を生成できるオープンソースのAIモデルです。「夕焼けの海辺を歩く猫」といった文章を入力するだけで、数秒〜数十秒でリアルな画像を生成できます。

オープンソースでなおかつ、商用利用も可能で、自分のPCやクラウド環境に自由にインストールして使用できます。

そのため、イラスト制作、Webデザイン、ゲーム開発、マーケティング素材の作成など、幅広い分野で活用されています。

また、生成モデル(チェックポイント)をカスタマイズすることで、アニメ風、写実的、特定のアーティストのスタイルなど、好みの画風に調整することができます。

ただし、Stable Diffusionを快適に動作させるには、それなりのGPU性能が必要です。

特に高解像度の画像や複雑なプロンプトを扱う場合、処理に時間がかかったり、メモリ不足でエラーが発生したりすることもあります。そこで注目されているのが、クラウドGPUを使った運用方法です。

Stable Diffusionの3つの利用方法

Stable Diffusionの3つの利用方法
Stable Diffusionの3つの利用方法

Stable Diffusionを利用する方法は、大きく分けて3つの形態があります。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自分の用途や予算に合わせて選択することが重要です。

PCにインストール(ローカル)

ローカル型は、自分が所有するGPU搭載のPCにStable Diffusionをインストールして利用する方法です。AUTOMATIC1111やComfyUIといったWebUIツールを使えば、比較的簡単に環境を構築できます。

メリットデメリット
ランニングコストがかからない(電気代のみ)
インターネット接続なしでも利用可能
データを完全に手元で管理できるためプライバシー面で安心
カスタマイズの自由度が高い
初期費用が高額(GPU搭載PCは10万円〜30万円以上)
PCのメンテナンスや環境構築の知識が必要
GPUの性能によっては処理速度が遅い
PCがないと外出先から利用できない

ローカル型は、すでに高性能なPCを持っている方や、長期で頻繁に利用する予定の方におすすめです。

クラウドGPUを借りてセルフホストする

クラウドGPUでのセルフホストは、クラウド上でGPU搭載のサーバーをレンタルし、そこにStable Diffusionをインストールして利用する方法です。

RunPodやPaperspace、さくらのクラウドなどが代表的なサービスです。

メリットデメリット
初期費用がほぼ不要(従量課金または月額制)
高性能なGPU(RTX4090、A100など)を必要なときだけ利用できる
環境構築済みのテンプレートが用意されているサービスも多い
インターネット接続があればどこからでもアクセス可能
自分でモデルやツールを自由にカスタマイズできる
利用時間に応じて課金されるため、長時間使うとコストが高くなる
サーバーの設定や管理に一定の技術知識が必要
データの転送に時間がかかる場合がある

クラウドGPUでのセルフホストは、初期費用を抑えつつ高性能な環境でStable Diffusionを使いたい方や、自分で環境をカスタマイズしたい方に適しています。

クラウドSaaS/API型

クラウドSaaS/API型は、事業者が用意したプラットフォーム上でStable Diffusionを利用する方法です。DreamStudioやPlayground AIなどのSaaS型と、Stability AIが提供するAPI型の2つの形態があります。

メリットデメリット
環境構築が不要で、すぐに利用開始できる
サーバー管理やメンテナンスが不要
ブラウザから簡単に操作できる
多くのサービスで無料プランや無料クレジットが用意されている
カスタマイズの自由度が低い(利用できるモデルや機能が制限される)
生成した画像の商用利用に制限がある場合がある
サービス側の規約変更や終了リスクがある
継続的に利用するとコストが高くなる可能性がある

クラウドSaaS/API型は、とにかく手軽にStable Diffusionを試してみたい初心者の方や、環境構築に時間をかけたくない方におすすめです。

Stable Diffusionはレンタルサーバーで運用できる?

Stable Diffusionはレンタルサーバーで運用できる?
Stable Diffusionはレンタルサーバーで運用できる?

結論から言うと、一般的なレンタルサーバー(共用レンタルサーバーやVPS)でStable Diffusionを運用するのは現実的ではありません。その理由は、GPUの有無にあります。

Stable Diffusionは画像生成時に大量の並列計算を行うため、GPU(Graphics Processing Unit)が必須です。

CPUだけでも動作はしますが、1 枚の画像生成に数分~数十分かかってしまい、実用的とは言えません。

そこで選択肢となるのが、GPU搭載のクラウドGPUサービスです。

本記事では「レンタルサーバー」という言葉を狭義的に「共用レンタルサーバー」や「VPS」を指すものとして使用しており、クラウドGPUは厳密にはレンタルサーバーとは異なるカテゴリとして扱っています。

なぜクラウドGPUが必要なのか

クラウドGPUが必要な理由を、もう少し詳しく見ていきましょう。

Stable Diffusionの画像生成プロセスは、拡散モデルと呼ばれる仕組みを使って、ノイズから徐々に画像を生成していきます。

このプロセスでは、何千〜何万もの計算を繰り返し行う必要があり、GPUの並列処理能力が不可欠です。

例えば、RTX3060(VRAM12GB)のGPUを使った場合、512×512 ピクセルの画像を約 5〜10 秒で生成できます。

一方、CPUのみで同じ画像を生成しようとすると、5分以上かかることも珍しくありません。この差は、作業効率に大きく影響します。

また、高解像度の画像(1024×1024 以上)や、複数の画像を一度に生成する場合、さらに多くのVRAM(GPUメモリ)が必要になります。

実用的には、最低でも8GB、推奨は12GB以上のVRAMを持つGPUが必要です。

コストやスキル面で難しい場合の選択肢

クラウドGPUのレンタルには一定のコストと技術知識が必要です。

サーバーの設定やStable Diffusionのインストール、セキュリティ対策などを自分で行う必要があるため、初心者の方には敷居が高く感じられるかもしれません。

そのような場合は、ConoHa AI Canvas」や「DreamStudio」といったSaaSサービスの利用がおすすめです。

これらのサービスは、ブラウザからアクセスするだけですぐにStable Diffusionを使い始められます。

環境構築やサーバー管理の知識は一切不要なので、気軽に試すことができます。

ただし、SaaSサービスは利用できるモデルや機能に制限があったり、長期的にみると費用がかさむ可能性があります。

そのため、まずはSaaSで試してみて、本格的に使いたくなったらクラウドGPUでのセルフホストに移行する、という流れもおすすめです。

Stable DiffusionにおすすめなクラウドGPU

ここからは、Stable Diffusionをセルフホストする際におすすめのクラウドGPUサービスを紹介します。それぞれ特徴や料金体系が異なるため、自分の用途や予算に合わせて選択してください。

Paperspace Gradient

Paperspace Gradientの公式サイト
Paperspace Gradientの公式サイト

Paperspace Gradientは、機械学習やAI開発に特化したクラウドGPUプラットフォームです。Stable Diffusion用のテンプレートが豊富に用意されており、初心者でも簡単に環境を構築できます。

Paperspace Gradientの特徴

  • Stable Diffusion WebUIやComfyUIの1クリックデプロイに対応
  • Jupyter Notebookベースの操作環境で直感的に使える
  • 無料プランあり(月8時間まで無料で利用可能)
  • RTX4000、A4000、A5000、A6000など多様なGPUから選択可能

Paperspace Gradientbの料金

GPU料金(時間単位)
M4000(無料プラン)月8時間まで無料
RTX4000約$0.51/時間
A6000約$1.89/時間

Paperspace Gradientがおすすめな人

  • とりあえず無料で試してみたい初心者
  • Jupyter Notebook形式の操作に慣れている方
  • 月に数時間程度の軽い利用を考えている方

さくらのクラウド 高火力VRT

さくらのクラウド高火力 VRTの公式ページ
さくらのクラウド高火力 VRTの公式ページ

さくらのクラウドは、日本国内の大手ホスティング事業者であるさくらインターネットが提供するクラウドサービスです。GPU搭載プランでは、NVIDIA H100を利用できます。

さくらのクラウド/GPUの特徴

  • 日本国内のデータセンターで運用されるため低レイテンシ
  • 日本語のサポートが充実
  • 時間課金と月額課金の両方に対応
  • ストレージとネットワークの料金体系が明確

さくらのクラウド/GPUの料金表

プラン時間料金月額料金
NVIDIA V100481円/時間231,000円
NVIDIA H100990円/時間385,000円

さくらのクラウド/GPUがおすすめな人

  • 日本語サポートを重視する方
  • 日本国内のサーバーで運用したい方
  • 長期的に安定して利用したい方

RunPod

Runpodの公式サイト
Runpodの公式サイト

RunPodは、コストパフォーマンスに優れたクラウドGPUサービスです。豊富なGPU在庫と柔軟な料金体系が特徴で、世界中のデータセンターを利用できます。

RunPodの特徴

  • RTX3090、RTX4090、A100など最新GPUに対応
  • Stable Diffusion WebUIのテンプレートが充実
  • 秒単位の従量課金で無駄がない
  • コミュニティテンプレートが豊富

RunPodの料金表

GPU料金(時間単位)
RTX3090約$0.34/時間
RTX4090約$0.69/時間
A100(80GB)約$1.89/時間

RunPodがおすすめな人

  • コストを重視する方
  • 最新のハイエンドGPUを使いたい方
  • 短時間の集中利用を考えている方

Lambda Cloud

Lambda Cloudの公式サイト
Lambda Cloudの公式サイト

Lambda Cloudは、機械学習研究者やAIエンジニア向けに設計されたクラウドGPUサービスです。シンプルな料金体系と高性能なGPUが魅力です。

Lambda Cloudの特徴

  • A100やH100など最高性能のGPUに対応
  • PyTorchやTensorFlowがプリインストール済み
  • 直感的なダッシュボードで管理が簡単
  • ネットワーク転送量が無料

Lambda Cloudの料金表

GPU料金(時間単位)
RTX6000 Ada約$0.50/時間
A100(40GB)約$1.10/時間
A100(80GB)約$1.29/時間

Lambda Cloudがおすすめな人

  • 本格的な機械学習環境を求める方
  • シンプルな料金体系を好む方
  • 大量のデータ転送を行う方

Stable DiffusionにおすすめなクラウドGPUの比較表

各サービスの特徴を比較表にまとめました。

スクロールできます
サービス名最安料金(目安)無料プラン日本語サポート主な特徴
Paperspace Gradient$0.51/時間〜あり(月 8 時間)なし初心者向け、テンプレート豊富
さくらのクラウド/GPU167 円/時間〜なしあり国内データセンター、安定運用
RunPod$0.34/時間〜なしなし低価格、最新GPU対応
Lambda Cloud$0.50/時間〜なしなし高性能、シンプルな料金

それぞれのサービスには一長一短がありますが、初めて試す方には Paperspace Gradient の無料プラン、コスト重視なら RunPod、日本語サポートを重視するならさくらのクラウド/GPU、本格的な利用なら Lambda Cloudがおすすめです。

Stable Diffusionが使えるおすすめSaaSサービス

クラウドGPUでのセルフホストは敷居が高いと感じる方や、まずは手軽にStable Diffusionを試してみたい方には、SaaSサービスの利用がおすすめです。ここでは、代表的なSaaSサービスを紹介します。

ConoHa AI Canvas

ConoHa AI Canvasの公式サイト
ConoHa AI Canvasの公式サイト

ConoHa AI Canvasは、GMOインターネットグループのConoHaが提供するAI画像生成サービスです。日本国内のサービスのため、日本語での利用やサポートが充実しています。

ConoHa AI Canvasの特徴

  • 完全日本語対応のインターフェース
  • Stable Diffusion WebUIベースで使いやすい
  • 複数のモデルをプリセットから選択可能
  • 国内サーバーで高速なレスポンス

ConoHa AI Canvasの料金

プラン料金
従量課金制生成枚数に応じて課金

※詳細な料金は公式サイトを参照

ConoHa AI Canvasがおすすめな人

  • 日本語でのサポートを重視する方
  • 国内サービスを利用したい方
  • 環境構築なしですぐに始めたい方

DreamStudio

Stability AIのログインページ
Stability AIのログインページ

DreamStudioは、Stable Diffusionの開発元である Stability AIが提供する公式のWebサービスです。最新の Stable Diffusionモデルをいち早く利用できる点が魅力です。

DreamStudioの特徴

  • Stable Diffusionの公式サービス
  • 最新モデル(SDXL、SD3など)に対応
  • シンプルで使いやすいインターフェース
  • 新規登録時に無料クレジット付与

DreamStudioの料金

プラン料金
無料クレジット新規登録で25クレジット
クレジット単価1クレジット=約$0.01
追加購入$10で1,000クレジット

DreamStudioがおすすめな人

  • 最新のStable Diffusionモデルを試したい方
  • 公式サービスを利用したい方
  • シンプルな操作性を求める方

Playground AI

Plaground AIの公式サイト
Plaground AIの公式サイト

Playground AIは、無料プランが充実している画像生成サービスです。Stable Diffusionをベースに、独自の機能も追加されています。

Playground AIの特徴

  • 1日500枚まで無料で生成可能
  • Canvas機能でインペインティングやアウトペインティングが可能
  • コミュニティで他のユーザーの作品を参照できる
  • 多彩なフィルターやスタイルプリセット

Playground AIの料金

プラン料金生成枚数
無料プラン無料1日500枚まで
Proプラン$15/月無制限

Playground AIがおすすめな人

  • 無料で大量に画像生成したい方
  • インペインティングなど高度な編集機能を使いたい方
  • コミュニティで情報交換したい方

Mage.Space

Mage.Spaceの公式サイト
Mage.Spaceの公式サイト

Mage.Spaceは、Stable Diffusionを中心に複数のAIモデルを利用できるプラットフォームです。無料プランでも比較的多くの機能が使えます。

Mage.Spaceの特徴

  • 複数のAI画像生成モデルに対応
  • リアルタイム生成機能
  • アニメーション生成にも対応
  • カスタムモデルのアップロードが可能(有料プラン)

Mage.Spaceの料金

プラン料金
無料プラン無料(1日あたりの生成枚数に制限あり)
有料プラン$10/月〜

Mage.Spaceがおすすめな人

  • 複数のモデルを試したい方
  • アニメーション生成に興味がある方
  • コストを抑えつつ様々な機能を試したい方

Leonardo.Ai

Leonardo.Aiの公式サイト
Leonardo.Aiの公式サイト

Leonardo.Aiは、ゲームアセットやコンセプトアートの制作に特化した画像生成サービスです。クオリティの高い画像生成が可能で、商用利用にも対応しています。

Leonardo.Aiの特徴

  • 高品質な画像生成に特化
  • ゲームアセット向けのテンプレートが豊富
  • 一貫性のあるキャラクター生成が可能
  • 3Dテクスチャ生成機能

Leonardo.Aiの料金

プラン料金クレジット
無料プラン無料1日150クレジット
Apprenticeプラン$10/月
Artisanプラン$24/月

Leonardo.Aiがおすすめな人

  • ゲーム開発やコンセプトアート制作をしている方
  • 高品質な画像を求める方
  • 商用利用を前提としている方

SaaSサービスの選び方

SaaSサービスを選ぶ際は、以下のポイントを考慮するとよいでしょう。

  • 予算:無料プランで試したいならPlayground AIやLeonardo.Ai、本格利用ならDreamStudioやConoHa AI Canvas
  • 言語サポート:日本語が必要ならConoHa AI Canvas一択
  • 機能:編集機能を重視するならPlayground AI、最新モデルを使いたいならDreamStudio
  • 用途:ゲーム開発ならLeonardo.Ai、汎用的な利用ならMage.Space

いずれのサービスも無料プランや無料クレジットが用意されているため、まずは複数試してみて、自分に合ったサービスを見つけることをおすすめします。

まとめ

本記事では、Stable Diffusionをレンタルサーバーやクラウド環境で運用する方法について解説しました。

一般的なレンタルサーバーやVPSではGPUが搭載されていないため、Stable Diffusionの運用には適していません。

そこで選択肢となるのが、クラウドGPUでのセルフホストか、SaaSサービスの利用です。

クラウドGPUでのセルフホストは、初期費用を抑えつつ高性能な環境を利用できる点が魅力です。

Paperspace Gradientなら無料プランから試せますし、RunPodはコストパフォーマンスに優れています。

日本語サポートを重視するならさくらのクラウド/GPU、本格的な機械学習環境を求めるならLambda Cloudがおすすめです。

一方、環境構築に自信がない方や、まずは手軽に試してみたい方には、SaaSサービスがおすすめです。

ConoHa AI Canvasなら日本語で利用できますし、DreamStudioは公式サービスとして最新モデルにいち早く対応しています。Playground AIやLeonardo.Aiは無料プランも充実しているため、気軽に始められます。

自分の用途や予算、技術レベルに合わせて、最適なサービスを選択してください。

まずは無料プランやトライアルで複数のサービスを試してみて、使い勝手や生成される画像の品質を比較することをおすすめします。

Stable Diffusionを活用して、あなたのクリエイティブな活動がより充実したものになることを願っています。

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この記事を書いた人

コードゲーマーのアバター コードゲーマー サーバーチョイス 編集者

Web開発歴7年のフリーランスエンジニア。大学在学中から教育系Webメディアを運営するスタートアップにて、Webディレクターとして従事。独立からこれまでに多くのコーポレートサイトやCRM、予約システムなどのシステム開発、オウンドメディア運営を経験。20以上のレンタルサーバーの使用経験を持つ。

趣味はゲーム・野球観戦で休日は友人とARKなどオンラインゲームに興じています。

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