WISA(IIS + ASP.NET + SQL Server)環境をVPSに構築する方法

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Windows環境でASP.NETアプリを運用したい方に向けて、XServer VPS for Windows Serverを使った「WISA(IIS + ASP.NET + SQL Server)」環境の構築方法をわかりやすく解説します。

初めてVPSを扱う方でも安心して進められるよう、各ステップを丁寧に紹介していきます。

目次

WISAとは

WISA(ウィザ)とは、Windows・IIS・SQL Server・ASP.NETの頭文字を取った略称で、Microsoft製品を中心に構成されたWebアプリケーションの実行環境を指します。

各要素の役割

Windows Server

WISAスタックの基盤となるOSです。サーバー用途に最適化されたWindowsのバージョンで、高い安定性と管理機能を提供します。

IIS(Internet Information Services)

Microsoft純正のWebサーバーです。ApacheやNginxと並ぶWebサーバーのひとつで、ASP.NETアプリケーションとの親和性が非常に高く、.NET系Webアプリのデプロイに適しています。

SQL Server

Microsoftが開発するリレーショナルデータベース管理システム(RDBMS)です。ASP.NETと組み合わせることで、データベース連携のスムーズなアプリ開発が可能です。

ASP.NET

Microsoftの.NET Framework上で動作するWebアプリケーションフレームワークで、C#などを用いて堅牢かつ高性能なWebアプリを開発するために用いられます。

WISAの特徴

WISAは以下のような特徴を持ち、企業システムや業務アプリケーションに多く採用されています。

  • Microsoft製品間での高い互換性
  • セキュリティパッチやサポートの一元化
  • Active DirectoryやWindows認証との連携が容易

XServer VPS for Windows Serverとは

Xserver for Windowsの公式サイト
引用:Xserver for Windowsの公式サイト

XServer VPS for Windows Serverは、エックスサーバー社が提供するWindows OS搭載の仮想専用サーバー(VPS)サービスです。

WISA環境の構築に最適なWindows Serverのライセンスが含まれており、Microsoft製品を用いたWebアプリケーション運用に向いています。

XServer VPS for Windows Serverの特徴

特徴内容
Windowsライセンス付き初めからWindows Server OS(例:Windows Server 2019 / 2022)がインストール可能。別途ライセンス契約不要。
管理パネル付きブラウザ上で電源管理、再インストール、リモートデスクトップ接続用情報の取得が可能。
高性能な仮想環境最新のKVM仮想化技術、NVMe SSD採用により、Webアプリのレスポンスが高速。
豊富なスペックプラン必要に応じてメモリ・CPUのスペックを選択可能。スモールスタートから拡張も柔軟。

デプロイするアプリの仕様

本記事で構築するWISA環境には、ASP.NET Core MVCアプリケーション をデプロイすることを前提とします。以下はそのアプリケーションの概要仕様です。

アプリの基本構成

項目内容
アーキテクチャASP.NET Core MVC
フレームワーク.NET 6 / .NET 7(いずれもLTS対応可)
データベースSQL Server 2022(Express Edition)

想定されるファイル構成(ビルド後)

/MyApp
├── wwwroot/
├── bin/
├── Views/
├── appsettings.json
├── web.config
└── MyApp.dll(エントリーポイント)

この構成を、XServer VPS for Windows Server上の IIS(Internet Information Services) にデプロイして動作させるのが本記事のゴールとなります。

開発環境の前提(ローカル)

  • OS: Windows 10 以降
  • 開発ツール: Visual Studio 2022(ASP.NET & Web開発 ワークロード含む)
  • データベース: ローカルでSQL Serverを使用し、Publish時に設定を変更

WISA環境の構築方法

STEP
XServer VPS for Windows Serverを申し込む

まずは、「XServer VPS for Windows Server」を申し込んでいきます。

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Xserver for Windowsの公式サイトはこちら

XServer for Windows Serverトップページにある「申し込み」をクリックします。

Xserver for Windowsのお申し込みボタン
Xserver for Windowsのお申し込みボタン

すでにXServerアカウントを持っている方は「ログイン」を、持っていない方は「すぐにスタート!新規お申し込み」をクリックしてください。

お申し込みフォームの選択ボタン
お申し込みフォームの選択ボタン

申し込みフォームが表示されます。

お客様情報を入力する

XServerアカウントを作成するために、お客様情報を入力します。

必要項目を入力しましょう。

お客様情報の入力画面
お客様情報の入力画面

入力が完了したら、「次へ進む」をクリックしてください。

続いて、本人認証のために確認コードがメールで送られてきます。

メールに届いた確認コード
メールに届いた確認コード

メールを確認して、コードを入力しましょう。

確認コードの入力画面
確認コードの入力画面

最後に入力内容を確認して、問題がなければ「この内容で登録しサーバー申し込みへ進む」をクリックします。

XServerアカウントの確認画面
XServerアカウントの確認画面

これでXServerアカウントの作成は完了です。

お申し込み内容を入力する

続いて、Windowsサーバーの申し込みをします。プランは任意のメモリを選択してください。

プラン選択画面
プラン選択画面

「イメージタイプ」に「Windows Server for Remote Desktop」を選択します。

イメージタイプ選択画面
イメージタイプ選択画面

※officeアプリを使用したい方は「Windows Server for Remote Desktop + Office」を選択してください。

リモートデスクトップを利用するには、「リモートデスクトップ SAL」のライセンスが必要です。

ライセンスは使用する人数分必要なりますので、人数分のライセンス数を入力してください。

リモートデスクトップのライセンス申し込み画面
リモートデスクトップのライセンス申し込み画面

Administratorパスワードは後ほど必要になりますので、忘れないようにどこかに控えておきましょう。

入力が完了したら、「お申し込み内容を確認する」をクリックしてください。

確認画面で申し込み内容を確認します。

申し込み内容の確認画面
申し込み内容の確認画面

問題がなければ、「お支払いへ進む」をクリックしてください。

お支払い情報を入力する

支払い設定を行います。

「クレジットカード」か「Paidy」を利用して「コンビニ振り込み」か「銀行振込」が行えます。

「クレジットカード」でお支払いの方が、更新時の支払い忘れが防止できるので、個人的にはおすすめです。

クレジットカードの情報を入力して、「決済画面へ進む」をクリックします。

支払い方法の選択画面
支払い方法の選択画面

設定内容を確認して、問題がなければ「確認画面へ進む」をクリックしてください。

決済手段の選択画面

内容を確認して、問題がなければ「支払いをする」をクリックしてください。

クレジットカードの入力画面

これでサーバーの申し込みは完了です。

STEP
リモートデスクトップ接続する

VPS管理からIPアドレスを確認

VPSパネルから「VPS管理」をクリックします。

VPS管理ボタン

「VPS情報」にある「IPアドレス」を確認してください。

IPアドレス

手持ちのWindowsからリモートデスクトップ接続する

スタートボタンをクリックし、検索窓に「リモートデスクトップ接続」と入力してください。

Windowsのスタートボタン

「リモートデスクトップ接続」をクリックしてください。

リモートデスクトップ接続アプリアイコン

「コンピューター(C)」に先ほど確認したIPアドレスを記入して、「接続」をクリックします。

IPアドレスの入力画面

資格情報を入力します。

「ユーザー名」に「Administrator」「パスワード」に申し込み時に設定したパスワードを入力してください。

資格情報の入力画面

確認画面が表示されます。

今回は問題ありませんので、「このコンピューターへの接続について今後確認しない」にチェックし、「はい」ボタンをクリックしてください。

コンピュータの信頼性チェック画面

Windows Serverの画面が表示されました。

Windows Serverのデスクトップ画面

これで接続は完了です。

STEP
ポートの設定

XServer VPS for Windows Serverの申し込み時にリモートデスクトップのプランを申し込んでいれば、リモートデスクトップ接続用のポート(TCP 3389)は解放済みです。

ただ、Webアプリ用のポートが開放されていませんので、開放しておきましょう。

XServer VPS for Windows Serverではポートの解放設定をVPSパネルの「パケットフィルター設定」で行います。

パケットフィルター設定ボタン
パケットフィルター設定ボタン

パケットフィルター設定が「ONにする(推奨)」になっていることを確認してください。

Xserver VPSのパケットフィルター設定
Xserver VPSのパケットフィルター設定

「パケットフィルター設定を追加する」をクリックして「Web」を追加してください。

フィルタールール一覧
フィルタールール一覧

これでポートの解放設定は完了です。

STEP
IISをインストール

WISA環境の中核を担うのが IIS(Internet Information Services) です。

ASP.NETアプリケーションをWeb経由で公開するためのWindows標準のWebサーバーで、GUI操作で簡単に設定できるのが特長です。

左下のWindowsボタンから「サーバーマネージャー」をクリックしてください。

Windowsメニュー
Windowsメニュー

「役割と機能の追加」をクリックします。

サーバーマネージャー画面
サーバーマネージャー画面

「役割と機能の追加ウィザード」が表示されたら、「サーバーの役割の選択」まで「次へ」をクリックしてください。

セットアップウィザード
セットアップウィザード

「サーバーの役割と選択」で「Webサーバー(IIS)」をチェックを入れ、必要な機能を追加します。

Webサーバー機能の追加
Webサーバー機能の追加
Webサーバー機能の追加
Webサーバー機能の追加

続いて、「機能の選択」です。基本はそのままで問題ありません。

機能の追加
機能の追加

「役割サービス」では、「アプリケーション開発」セクションの以下のサービスを有効化します。

役割の追加
役割の追加
  • ASP.NET 4.8
  • .NET 拡張機能 4.8
  • ISAPI 拡張
  • ISAPI フィルター

デフォルトでチェックが入っていると思いますが、「管理ツール」の「IIS 管理コンソール」にチェックが入っていることも確認してください。

内容を確認して、インストールしてください。

確認画面
確認画面

インストールが完了するまでしばらく待ちましょう。

インストール中画面
インストール中画面

インストールが完了したら、VPSのIPアドレスにブラウザからアクセスしてみてください。

IISの初期ページが表示されます。

IISの初期画面
IISの初期画面
STEP
SQL Serverをインストール

WISA環境では、アプリケーションのデータ保存に SQL Server(Expressエディション) を利用します。

ここでは、SQL Server 2022 Expressと、GUIで操作するための SQL Server Management Studio(SSMS) をインストールします。

「Microsoft Edge」を立ち上げて。公式サイトから「SQL Server 2022 Express」のインストーラをダウンロードしてください。

SQL Serverのダウンロードボタン
SQL Serverのダウンロードボタン

ダウンロードしたインストーラを起動します。

今回はシンプルなアプリケーションをデプロイしていきますので、「基本」を選択します。

インストールの種類の選択画面
インストールの種類の選択画面

ライセンスに同意します。

ランセンスの同意画面
ランセンスの同意画面

インストールしていきます。インストール先はデフォルトのままで問題ありません。

インストール先フォルダの設定画面
インストール先フォルダの設定画面

これでSQL Serverのインストールは完了です。

SSMSのインストール

そのままSSMSをインストールしていきましょう。SQL Serverのインストール完了画面に「SSMSのインストール」というボタンが用意されています。クリックしてください。

SSMSのインストール画面
SSMSのインストール画面

開いたページにダウンロードリンクがあります。

SSMSのダウンロードリンク
SSMSのダウンロードリンク

ダウンロードした実行ファイルを起動してください。「Install」をクリックします。

インストール先の選択画面
インストール先の選択画面

「Setup Completed」と表示されればインストールは完了です。

SSMSのセットアップ

SSMSがインストールできれば、そのままセットアップを進めていきます。

Windowsの検索から「SSMS」と検索すると「Microsoft SQL Server Management Studio」が表示されるので、起動してください。

SQL Serverに接続します。「Server name」には先ほどインストールしたSQL Serverが設定されていると思います。基本的にはデフォルトの入力内容で問題ありません。

今回はデモアプリのデプロイなので、SSL証明書の確認は「optional」とし、「Trust server certificate」にチェックを入れています。

SQLサーバーへの接続画面
SQLサーバーへの接続画面

接続に成功すると、オブジェクトエクスプローラーが開き、データベース一覧が表示されます。

STEP
アプリケーションファイルをデプロイ

いよいよアプリケーションをデプロイしていきます。

ローカルで開発したアプリはビルドして、VPSに転送してください。

リモートデスクトップのFolder Redirect機能を利用しても良いですし、VPSにFTPサーバーを立てて、転送しても問題ありません。

C:\inetpub\wwwroot\ 配下に任意のアプリのプロジェクト名を付けたフォルダを作成してください。

プロジェクトフォルダの作成
プロジェクトフォルダの作成

転送したアプリケーションフォルダをこのフォルダに移動させます。

プロジェクトファイルの移動
プロジェクトファイルの移動

続いて、設置したアプリケーションをIISに設定していきます。IISマネージャーを起動してください。

IISマネージャーボタン
IISマネージャーボタン

左のパネルから「サイト」→「Webサイトを追加」をクリックします。

サイトの追加ボタン
サイトの追加ボタン

追加するWebサイトの情報を入力します。「サイト名」は任意のサイト名で問題ありません。

コンテンツディレクトリは先ほどC:\inetpub\wwwroot\ 配下に設置したプロジェクトフォルダにします。

追加するサイトの情報入力画面
追加するサイトの情報入力画面

ポート番号80を選択していますが、IISにデフォルトで設置されているサイトで使用している場合は、別のポート番号を使用するか、デフォルトのサイトを削除してください。

サイトを追加できたら、右パネルの追加したサイトを右クリックして、「開始」をクリックしてください。

サーバーの開始ボタン
サーバーの開始ボタン

これでアプリがデプロイできました。

WISAのサンプルアプリ
WISAのサンプルアプリ

マイグレーションを適用

Entity Framework Core を使っている場合は、コマンドラインからマイグレーションを適用します。

PowerShellまたはコマンドプロンプトを開いて、プロジェクトフォルダでマイグレーションを実行してください。

cd C:\inetpub\wwwroot\MyWebApp
dotnet ef database update

事前に dotnet-ef ツールと .NET SDK がインストールされている必要があります。

まとめ

今回は、XServer VPS for Windows Serverを使ってWISA(IIS + ASP.NET + SQL Server)環境を構築する手順をステップバイステップで紹介しました。

WISA環境は、Windows上でASP.NET Webアプリケーションを動かすために最適な構成であり、IISによる高い安定性と柔軟な管理性が魅力です。

XServer VPS for Windows ServerはGUIベースで操作できるため、Windowsに慣れている方であればLinuxよりも簡単に扱えるのでぜひ試してみてください。

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この記事を書いた人

コードゲーマーのアバター コードゲーマー サーバーチョイス 編集者

Web開発歴7年のフリーランスエンジニア。大学在学中から教育系Webメディアを運営するスタートアップにて、Webディレクターとして従事。独立からこれまでに多くのコーポレートサイトやCRM、予約システムなどのシステム開発、オウンドメディア運営を経験。20以上のレンタルサーバーの使用経験を持つ。

趣味はゲーム・野球観戦で休日は友人とARKなどオンラインゲームに興じています。

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