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Xserver VPSを使ってReactアプリをデプロイする方法を解説します。
デプロイするReactアプリの構成
今回デプロイするReactアプリの構成は以下の通りです。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
React | 18.2.0 |
Node.js | 18.18.0 |
Express | 4.19.2 |
MySQL | 8.0 |
Nginx | 1.20.1 |
Reactアプリをデプロイする手順
上記のReactアプリをXserver VPSにデプロイしていきます。
Xserver VPSにはReact環境を一発で構築してくれるテンプレートは用意されていないので、一から環境構築していきます。
- Xserver VPSを契約
- ポートの解放設定を行う
- 独自ドメインの取得
- Webサーバーを構築
- DBサーバーを構築
- Node.jsをインストール
- アプリケーションファイルをデプロイ
- SSL設定
- ファイアウォールの設定
Xserver VPSに申し込む
Xserver VPSの契約がまだの方は以下の手順で申し込みができます。
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まだXserver VPSを契約していない方は、Xserver VPSの公式サイトから申し込み手続きをします。
公式サイトの「お申し込みはこちら」をクリックしてください。
すでにXserverアカウントを持っている方は「ログイン」、初めて申し込む方は「すぐにスタート!新規お申込み」をクリックしてください。
申し込みフォームが表示されます。
Xserverアカウントを作成するために、お客様情報を入力します。
必要項目を入力しましょう。
入力が完了したら、「次へ進む」をクリックしてください。
続いて、本人認証のために確認コードがメールで送られます。
メールを確認して、確認コードを入力しましょう。
最後に入力内容を確認して、問題がなければ「この内容で登録しサーバー申し込みへ進む」をクリックします。
これでXserverアカウントの作成は完了です。
続いて、VPSの申し込みをします。
こちらも必要項目を入力していきます。
今回は「CentOS」を使用します。皆さんはお好きなOSを選択してください。
入力が完了したら、「お申し込み内容を確認する」をクリックしてください。
確認画面で申し込み内容を確認します。
問題がなければ、「お支払いへ進む」をクリックしてください。
支払い設定を行います。
Xserver VPSではクレジットカード決済とあと払い(ペイディ)に対応しています。
支払い方法を選択して、「決済画面へ進む」をクリックします。
クレジットカード情報を入力して、「確認画面へ進む」をクリックしてください。
内容を確認して、問題がなければ「支払いをする」をクリックしてください。
これでXserver VPSの申し込みは完了です。
ポートの解放設定を行う
続いて、ポートの解放設定を行います。
Xserver VPSではポートの解放設定をVPSパネルの「パケットフィルター設定」で行います。9
パケットフィルター設定が「ONにする(推奨)」になっていることを確認してください。
「パケットフィルター設定を追加する」をクリックして「SSH」と「Web」、「MySQL」を追加してください。
これでポートの解放設定は完了です。
独自ドメインの設定
まだ独自ドメインを取得していない方はVPS管理から「ドメイン取得」をクリックしてください。
取得したいドメイン名を入力、希望のドメイン末尾を選択して、「ドメインを検索する」をクリックしてください。
取得可能なドメイン一覧が表示されます。
希望のドメインにチェックを入れ、利用規約に同意して、「お申し込み内容の確認と支払いへ進む」をクリックしてください。
内容を確認して、支払い方法を選択します。
「支払いをする」をクリックしてください。
これで独自ドメインが取得できました。
取得した独自ドメインをサーバーと紐つける
取得した独自ドメインをサーバーと紐つけます。
VPS管理画面の「DNS設定」をクリックしてください。
「ドメインの追加」をクリックします。
取得したドメインを入力してください。
追加したドメイン名の「選択する」をクリックしてください。
「DNSレコード設定の追加」をクリックします。
「種別」に「A」を選択し、「内容」にサーバーのIPアドレスを入力してください。
「確認画面へ進む」をクリックします。
DNSレコードは、インターネット上のWebサイトやメールなどのサービスを見つけるための指示書のようなものです。
各Webサイトには、それぞれに割り当てられた一意のIPアドレスがあります。
DNSレコードは、これらのIPアドレスを人が覚えやすいドメイン名(例:www.example.com)に関連付ける役割を持ちます。
つまり、DNSレコードは、特定のドメインがどのIPアドレスに関連付けられているかを示しています。
上記で設定した「A」レコードは「アドレス」の略であり、DNSレコードの最も基本的な種類です。与えられたドメインのIP アドレスを示しています。
内容を確認して、「設定を追加する」をクリックしてください。
これでDNS設定は完了です。
SSH接続してみる
VPSの契約が完了して、ポートの解放設定ができたらSSH接続してみます。
ssh root@{IPアドレス}
IPアドレスはVPS管理ページに記載されています。
パスワードはVPSのお申し込み時に設定した「rootパスワード」です。
ログインできたら何はともあれパッケージを更新しておきます。
yum update -y
Nginxインストール
今回はWebサーバーにNginxを選びました。
yum install -y epel-release
yum install -y nginx
systemctl start nginx
systemctl enable nginx
無事にインストールできているか確認しましょう。IPアドレスにブラウザからアクセスしてみます。
正常にインストールされています。
MySQLのインストール
DBサーバーとしてMySQLをインストールします。
yum install -y mysql-server
MySQLを起動し、有効化します。
systemctl start mysqld
systemctl enable mysqld
MySQLの初期設定
先にMySQLの基本的なセキュリティ設定を行います。
mysql_secure_installation
セキュリティに関する設定を順に聞いてくれますので、順に答えていきます。
所属するプロジェクトのセキュリティポリシーやお好みで設定してください。
mysql_secure_installationで設定可能な設定項目
- root ユーザーのパスワードの変更
- VALIDATE PASSWORD プラグインのインストール
- ポリシーに沿った root ユーザーパスワードの設定 (VALIDATE PASSWORD プラグインをインストールした場合)
- anonymous ユーザーの削除
- リモートホストから root ユーザーでログインするのを禁止する
- testデータベースの削除 (存在する場合)
続いて、データベースとユーザーを作成します。
MySQLにログインします。
mysql -u root -p
以下のコマンドをMySQLシェルで実行します。
CREATE DATABASE your_database_name;
CREATE USER 'your_username'@'localhost' IDENTIFIED BY 'your_password';
GRANT ALL PRIVILEGES ON your_database_name.* TO 'your_username'@'localhost';
FLUSH PRIVILEGES;
データベースが正常に作成されているか確認します。
SHOW databases;
これでMySQLの環境設定は完了です。
Node.jsとPM2のインストール
Node.jsとPM2をインストールしていきます。
# NodeSourceリポジトリを追加
curl -fsSL https://rpm.nodesource.com/setup_18.x | sudo bash -
# Node.jsをインストール
yum install -y nodejs
# PM2をグローバルにインストール
npm install -g pm2
アプリケーションファイルをデプロイ
ローカルで開発したアプリケーションをビルドして、VPSにアップロードします。
React(フロントエンド)をビルド&デプロイ
フロントエンドをビルドします。手元のReactアプリのプロジェクトファイルがあるディレクトリに移動して、npm run build
してください。
npm install
npm run build
ビルドが完了したら、dist
ディレクトリが生成されますので、中身をVPSのルートディレクトリアップロードします。
今回は/var/www/html/
をドキュメントルートにします。
mkdir -p /var/www/html/
scp -r /path/to/your/react-app/dist/* root@your_vps_ip:/var/www/html/
Express(バックエンド)をビルド&デプロイ
続いてExpressアプリをVPSにアップロードします。
Expressアプリのプロジェクトファイルがあるディレクトリに移動して、npm install
しておきます。
npm install
/var/www/api
ディレクトリを作成して、VPSにアップロードします。
mkdir -p /var/www/api/
scp -r /path/to/your/express-app your_user@your_vps_ip:/var/www/api
PM2でバックエンドを起動
PM2を使ってExpressアプリを起動します。
cd /var/www/api
pm2 start index.js --name your-app-name
pm2 startup
pm2 save
Nginxの設定
先にVimをインストールします。
yum install -y vim
Nginxの設定ファイルにドキュメントルートの設定とサーバー名の設定を追加します。
vim /etc/nginx/nginx.conf
serverブロックの41行目にあるserver_name
ディレクティブに独自ドメインを入力し、さらに42行目にあるデフォルトのrootディレクティブをコメントアウトして、43行目にドキュメントルートの設定を追加しています。
# For more information on configuration, see:
# * Official English Documentation: http://nginx.org/en/docs/
# * Official Russian Documentation: http://nginx.org/ru/docs/
user nginx;
worker_processes auto;
error_log /var/log/nginx/error.log;
pid /run/nginx.pid;
# Load dynamic modules. See /usr/share/doc/nginx/README.dynamic.
include /usr/share/nginx/modules/*.conf;
events {
worker_connections 1024;
}
http {
log_format main '$remote_addr - $remote_user [$time_local] "$request" '
'$status $body_bytes_sent "$http_referer" '
'"$http_user_agent" "$http_x_forwarded_for"';
access_log /var/log/nginx/access.log main;
sendfile on;
tcp_nopush on;
tcp_nodelay on;
keepalive_timeout 65;
types_hash_max_size 4096;
include /etc/nginx/mime.types;
default_type application/octet-stream;
# Load modular configuration files from the /etc/nginx/conf.d directory.
# See http://nginx.org/en/docs/ngx_core_module.html#include
# for more information.
include /etc/nginx/conf.d/*.conf;
server {
listen 80;
listen [::]:80;
server_name example.com;
#root /usr/share/nginx/html;
root /var/www/html;
# Load configuration files for the default server block.
include /etc/nginx/default.d/*.conf;
error_page 404 /404.html;
location = /404.html {
}
error_page 500 502 503 504 /50x.html;
location = /50x.html {
}
}
# Settings for a TLS enabled server.
#
# server {
# listen 443 ssl http2;
# listen [::]:443 ssl http2;
# server_name _;
# root /usr/share/nginx/html;
#
# ssl_certificate "/etc/pki/nginx/server.crt";
# ssl_certificate_key "/etc/pki/nginx/private/server.key";
# ssl_session_cache shared:SSL:1m;
# ssl_session_timeout 10m;
# ssl_ciphers PROFILE=SYSTEM;
# ssl_prefer_server_ciphers on;
#
# # Load configuration files for the default server block.
# include /etc/nginx/default.d/*.conf;
#
# error_page 404 /404.html;
# location = /40x.html {
# }
#
# error_page 500 502 503 504 /50x.html;
# location = /50x.html {
# }
# }
}
Nginxを再起動します。
systemctl restart nginx
ブラウザからIPアドレスにアクセスしてみてください。
アップロードしたindex.htmlが表示されると思います。
リバースプロキシの設定
バックエンドに作成したAPIサーバーのリバースプロキシの設定も行います。
56行目にリバースプロキシ設定を追加しています。
# For more information on configuration, see:
# * Official English Documentation: http://nginx.org/en/docs/
# * Official Russian Documentation: http://nginx.org/ru/docs/
user nginx;
worker_processes auto;
error_log /var/log/nginx/error.log;
pid /run/nginx.pid;
# Load dynamic modules. See /usr/share/doc/nginx/README.dynamic.
include /usr/share/nginx/modules/*.conf;
events {
worker_connections 1024;
}
http {
log_format main '$remote_addr - $remote_user [$time_local] "$request" '
'$status $body_bytes_sent "$http_referer" '
'"$http_user_agent" "$http_x_forwarded_for"';
access_log /var/log/nginx/access.log main;
sendfile on;
tcp_nopush on;
tcp_nodelay on;
keepalive_timeout 65;
types_hash_max_size 4096;
include /etc/nginx/mime.types;
default_type application/octet-stream;
# Load modular configuration files from the /etc/nginx/conf.d directory.
# See http://nginx.org/en/docs/ngx_core_module.html#include
# for more information.
include /etc/nginx/conf.d/*.conf;
server {
listen 80;
listen [::]:80;
server_name example.com;
#root /usr/share/nginx/html;
root /var/www/html;
# Load configuration files for the default server block.
include /etc/nginx/default.d/*.conf;
error_page 404 /404.html;
location = /404.html {
}
error_page 500 502 503 504 /50x.html;
location = /50x.html {
}
#リバースプロキシ設定を追加
location /api {
proxy_pass http://localhost:3000;
proxy_http_version 1.1;
proxy_set_header Upgrade $http_upgrade;
proxy_set_header Connection 'upgrade';
proxy_set_header Host $host;
proxy_cache_bypass $http_upgrade;
}
}
# Settings for a TLS enabled server.
#
# server {
# listen 443 ssl http2;
# listen [::]:443 ssl http2;
# server_name _;
# root /usr/share/nginx/html;
#
# ssl_certificate "/etc/pki/nginx/server.crt";
# ssl_certificate_key "/etc/pki/nginx/private/server.key";
# ssl_session_cache shared:SSL:1m;
# ssl_session_timeout 10m;
# ssl_ciphers PROFILE=SYSTEM;
# ssl_prefer_server_ciphers on;
#
# # Load configuration files for the default server block.
# include /etc/nginx/default.d/*.conf;
#
# error_page 404 /404.html;
# location = /40x.html {
# }
#
# error_page 500 502 503 504 /50x.html;
# location = /50x.html {
# }
# }
}
リバースプロキシサーバーが正常に動作しているか確認します。
APIのエンドポイントにcurlコマンドでアクセスしてください。
curl -i http://your_domain_or_ip/api/your_endpoint
HTTP/1.1 200 OK
と結果が返ってくれば正常に動作しています。
SSL設定
SSL化対応もしておきます。
今回はLet’s Encryptの証明書を使用します。
まずは、certbotプログラムをインストールします。
yum install -y certbot python3-certbot-nginx
cartbotコマンドを使ってSSL証明書を取得します。
certbot --nginx -d your_domain.com
更新やセキュリティ通知を受け取るメールアドレスを登録します。
Enter email address (used for urgent renewal and security notices)
(Enter 'c' to cancel):
利用規約について同意することを求められます。Yと入力します。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
Please read the Terms of Service at
https://letsencrypt.org/documents/LE-SA-v1.4-April-3-2024.pdf. You must agree in
order to register with the ACME server. Do you agree?
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(Y)es/(N)o: Y
次に電子フロンティア財団とメールアドレス共有し、キャンペーン情報などのDMを受け取るか聞かれます。基本的にNoで良いでしょう。
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
Would you be willing, once your first certificate is successfully issued, to
share your email address with the Electronic Frontier Foundation, a founding
partner of the Let's Encrypt project and the non-profit organization that
develops Certbot? We'd like to send you email about our work encrypting the web,
EFF news, campaigns, and ways to support digital freedom.
- - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - -
(Y)es/(N)o:N
これでCertbotが自動的にNginxの設定ファイルを更新し、SSLを有効にしてくれます。
ブラウザから「https:// {your_domain}」にアクセスしてみてください。正常にアクセスできると思います。
ファイアウォール設定
続いて、ファイアウォールの設定をします。
ファイアウォールを有効化しておきます。
systemctl enable firewalld
ファイアウォールを起動します。
systemctl start firewalld
httpサーバーにファイアウォールを設定します。
firewall-cmd --add-service=http --permanent
firewall-cmd --reload
これでReact+Express環境の構築作業がすべて完了しました。
まとめ
今回はReact + Expressで作成したアプリケーションをVPSにデプロイする方法を紹介しました。
SSLの設定周りが複雑かなと思っていたのですが、Cerbotを使えば非常に簡単に証明書の取得から設定まで行うことができました。
個人的に少し詰まってしまったところといえば、MySQL8.0以降はパスワード認証形式が変わりNodeのMySQLクライアントとの接続がうまくいかなったところですね。
対応としてはMySQLのバージョンを5.7にするかNodeのMySQLをクライアントに「MySQL2」を採用するかどちらですが、今回は後者を選択しました。